ビタミンD
- ビタミンDとは?
- ビタミンDは脂溶性のビタミンで、ビタミンD依存性たんぱく質の働きを介して腸管や肝臓でカルシウムとリンの吸収を促進します。
ビタミンDはカルシウムの骨への沈着を助け、カルシウムと一緒に摂取することでカルシウムの吸収を促進するため、骨の形成を助ける栄養素です。近年では、心血管系・免疫系などへの作用、筋力の維持といった役割も報告されています。
ビタミンDは食品からの摂取と紫外線による皮膚での産生の二つの供給源があります。
- 不足するとどうなるの?
- ビタミンDが欠乏すると、小腸や腎臓でのカルシウム吸収率が減少し低カルシウム血症となり、さらにカルシウム及びリンの吸収率が減少すると、小児ではくる病、成人では骨軟化症の発症リスクが高まります。
ビタミンDが不足するのは高齢者で特に多いことが報告されており、ビタミンD不足が長期にわたって続くと、骨粗鬆症性骨折のリスクが高まります。
- どれくらい摂ればいいの?
- 1日当たり、成人では8.5μgを摂取の目安量としています。(18-64歳)
ビタミンDは、日照により皮膚で産生されるため、日常生活においても適度な日光浴を心掛けるとともに、日常生活に合わせた摂取が重要になります。例えば、日照の機会が極めて少ない場合は、目安量以上の摂取が必要となります。
- 摂り過ぎるとどうなるの?
- 紫外線による皮膚での産生は調節されていて、必要以上のビタミンDは産生されません。
また、通常の食事からも過剰症になることはほとんどありませんが、多量のビタミンD摂取を続けると、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが起こる場合があります。
乳児についても多量のビタミンD摂取で成長遅延が生じるリスクがあります。
- どんな食品に多く含まれているの?
- 魚介類やきのこ類に豊富に含まれています。きのこ類ではきくらげ・まいたけ、魚介類ではあんこう肝・しらす干し・いわしみりん干し・にしん燻製、卵類では卵黄などに多く含まれます。
- ●目安量をひとつの食品で摂る目安量(30-49歳)
-
しらす干し(半乾燥品)
14g
きくらげ(乾)
10g
- 監修:
- 管理栄養士 杉本 恵子
- 出典元:
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
- 厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」