パフォーマンス向上のカギは「ビタミン」「ミネラル」「腸内環境」にあった!

監修:管理栄養士 杉本恵子先生

運動している人も、これから始める人も必見!
パフォーマンス向上のカギは
「ビタミン」「ミネラル」「腸内環境」にあった!

「運動する人はトレーニング後にプロテイン(たんぱく質)の摂取を」と聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、摂ったたんぱく質をしっかり吸収し有効利用するには、ほかの栄養素や体内の環境にも目を向ける必要があります。パフォーマンス向上のために心がけたいポイントを管理栄養士の杉本先生にお聞きしました。

運動する人にはたんぱく質のほか
ビタミンやミネラルも重要!

筋肉をはじめ、臓器、血管などの組織、骨、血液に至るまで、私たちの体はそのほとんどがたんぱく質からつくられています。運動をする人であればなおさら、筋肉をつけて良いパフォーマンスを発揮するためにも、意識して摂りたい栄養素です。成人で1日60g程度(体重60kgの人の場合)、アスリートとなるとその2倍は必要とされています。

しかし、たんぱく質さえ摂れば良い、というわけではありません。

食事で摂った栄養素は「代謝」といって、消化吸収の過程でエネルギーになったり、体をつくる材料になったりします。その代謝がスムーズに行われるためには、ビタミンやミネラルが不可欠なのです。

ビタミンの中で特に、たんぱく質の代謝に重要なのは「ビタミンB6」。筋肉や血液がつくられる際に必要となるため、たんぱく質と一緒に摂ると良いでしょう。

一方、ミネラルで重要なのは「マグネシウム」。体の中の酵素の働きを助ける役割があるほか、カルシウムとともに、骨の生成になくてはならないミネラルです。不足すると骨が弱くなるので、疲労骨折を起こさないためにも積極的に摂ることが大切です。

ビタミンB6は肉や魚、大豆に、マグネシウムは海藻類や青菜類といった「黒」や「緑」の食材に多く含まれます。例えばひじきの煮物やほうれん草のごま和えなど、黒や緑の食材を使ったメニューがマグネシウム摂取におすすめです。摂りたい栄養素を手軽に補給できるサプリメントを活用するのも賢い方法です。

腸内環境を整え、効率よく栄養素を吸収。
パフォーマンス向上へ!

走ったり跳んだりするとき、重いものを持ち上げるとき……すべての運動に共通して力を込める必要がある部位、それが「お腹」です。 “ここぞ”のときに踏ん張れないと、パワーが出ず良いパフォーマンスが期待できません。

お腹が張って不快感があったり、痛かったりしたら、力を込めるどころではないでしょう。したがって、運動のパフォーマンスを向上させるには「お腹の調子を整える」=「腸内環境を整える」ことがとても大切になります。バロメーターは「お通じ」。毎日“スルリと、スッキリ”が理想です。

腸が健やかであれば、食事で摂った栄養素の吸収も良くなります。運動に必要なエネルギー源や、筋肉など体をつくる材料はすべて栄養素から代謝を経てつくられるので、その供給がスムーズに行われることで体力がつき、疲労回復も早くなり、筋力や骨が強く保たれけがをしにくくなるなど、さまざまなメリットが得られると考えられます。

また、腸には人体最大の免疫組織があり、体を病気から遠ざける重要な役割を担っています。腸内環境が整っていれば免疫力も高まり、不調を起こしにくくなると言われています。スポーツパフォーマンスの向上が期待できるとともに、免疫力アップで健康な体作りにもつながりますね。

たんぱく質と一緒にビタミンやミネラルを摂ることとともに、腸内環境を整えることもぜひ心掛けましょう。

監修:管理栄養士 杉本 恵子(すぎもと けいこ)

相模女子大学食物科を卒業後、大手百貨店の健康管理室に勤務。 栄養士として従業員の栄養相談・食事指導をしながら「健康プラザ」という売場づくりを成功へと導く。1991年、個人の健康管理の全体像を踏まえたトータルなウエルネス管理<健康意識への育成>を行うべく、株式会社ヘルシーピットを設立し代表取締役に就任。健康にとって本当に必要な事は何なのかを考え、「食事」「運動」「休養」の3点から、1人ひとりに適したパーソナルな健康づくりを提唱し実践している。

株式会社ヘルシーピット