栄養成分辞典
n-3系脂肪酸
さんま
n-3系脂肪酸とは?
n-3系脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸です。
n-3系脂肪酸はα-リノレン酸、EPA及びDPA、DHAに分けられます。日本人で最も摂取量が多いのはα-リノレン酸です。
EPA、DHAは、認知機能低下や認知症の予防効果も期待されています。
DHAは特に神経シナプスや網膜の光受容体に多く存在し、神経組織の重要な構成脂質です。妊娠中は、胎児のこれらの器官形成のためにより多くのn-3系脂肪酸の摂取が必要とされます。
また、α-リノレン酸と循環器疾患の発症率との関連について、弱いものの有意な負の関連があると報告されています。
不足するとどうなるの?
n-3系脂肪酸が欠乏すると皮膚炎や成長障害などが発症する場合があります。
どれくらい摂ればいいの?
1日当たり、成人男性で2.0~2.2g、成人女性で1.6~1.9gの摂取を目安量としています。(18-64歳)
妊婦では1.6g、授乳婦では1.8gの摂取を目安量としています。
摂り過ぎるとどうなるの?
日本人の食事摂取基準には、過剰摂取についての記載はありません。
どんな食品に多く含まれているの?
油脂類、種実類、青魚に豊富に含まれています。油脂類ではえごま油・あまに油・なたね油、種実類ではえごま・あまに・チアシード・くるみ、魚介類ではまぐろ・さば・さんま・いわしなどに多く含まれます。
●目安量をひとつの食品で摂る目安量(30-49歳)
さんまさんま(皮つき/生)
男性:36g
女性:29g
えごま油えごま油
3g
監修:
管理栄養士 杉本 恵子
出典元:
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」